子ども未来通信第40号 アートセラピストのアハハコラム

子どもたちひとり一人が、自分を認めて、お互いを認め合う世の中を創り出すこと
子ども未来通信は、子ども未来の活動内容やアートセラピストの視点から語る子どもたちの様子や心の成長などをコラムを通して皆様にお届けしていきます。

アートセラピストのアハハコラム

思春期奮闘期

中2の息子がソファーに寝っ転がり「お母さん顔見せて」と言いました。
私は嬉しくなって中2の息子ににっこり顔を見せると「あー。マジでやっぱりイライラするわ!」って言われました。
絶賛思春期反抗期息子の母、アートセラピストのちゃいです。

この時の私はというと息子の想定外のひどい言葉に思わず笑ってしまい「はあ!?」と笑っていました。この時の私は自動反応で、思わずでてしまった態度でした。
その後すぐに、いたずら博士のように、息子が「このイライラは前回の夏に背が伸びたときと同じ感じだから僕はまた背が伸びるとおもいます。」と言いました。

私はこの言葉になんだか救われた気がしました。

昨年の夏、伸び盛り絶賛ぐったりイライラ反抗期息子とのバトルやら大げんかを経た親子だからこそ出来た会話だと、私は心の中で、イライラの対象を向けられているという切なさの奥にある、なんだか少しだけ喜ぶ気持ちをとらえることができたのかもしれません。
先日最終回を迎えたブラッシュアップライフという人生を何回も繰り返しやり直すドラマでも、「人生何回やっても、ホルモンバランスから来る思春期の親に対する嫌悪感やイライラは納められない」と言う台詞がありましたが、ほんとうにそんな感じなのだと本人が解説してくれました。
冷静になってからでも自分の気持ちや状態を伝えてもらうと安心感もてるなと、息子の行動から教わる私でした。

 

自分の心を自分がわかるという事

私は、今までアートセラピーを用いたアートカウンセリングで何人もの大人の方と個人セッションをさせて頂いてます。その時に自分の状態や自分の感情を捉えたとき、なんだか深く安堵し、表情まで晴れやかになっていく。そんなクライエントさん達の場に幾度も立ち会わせて頂きました。

それはどこか自分の居場所を見つけたような、自分のたっているところをしっかりと感じるようなそんな印象を受けることがあります。
だからなのでしょうかそこには癒やしがあって、成長があるなと思うのです。

 

子ども時代にやっておきたいこと

子ども達は成長の段階で、まずは「信頼」を学びます。
その為には、見守る大人(親以外でも)が絶対的な安全基地だと体験する必要があります。

そこから子ども達は、自分で試行錯誤チャレンジをしながら、自分で考え失敗したり、成功し、それをどう感じたか自分を知るチャンスを得て、そこから結果を受け入れ、大人の元に戻ったり、離れたりしながら、遊びや友達関係の中で体験していきます。
失敗しても、自分で考え失敗を受け入れ、何度も挑戦した子は、自分を大切にし自分を信じる事が出来るようになります。
そして、小学校を卒業し一気に身体が変わる時期に入り、自分の価値観を作ろうともがき、外の世界と出逢い、また親の元に戻り、親と自分の考えが違うと反抗して、そして大人になっていくわけです。

子どもが大人に変わっていくこの揺らぎの時期に自分のなんとも捉えきれない、イライラや不安などをキャッチして行くためには、やっぱり小さな頃から、大人が「問いかけ」「承認」の場をできる限りでいいからつくって、その「問いかけ」や「承認」を子ども自身が自分に出来るように、内蔵してあげることなのではないかと思うのです。例えば「問いかけ」ならば、何に興味を持っていて、何を考えていて、何を大切にしているのか、この子はどんな子なんだろう?心にそれをおいて「問いかけ」をする。

そして「承認」ならば、大人自身が、あなたの存在から何を感じているかを肯定的なことを伝える事。行動を尊重する態度を見せ続ける事でしょうか。そうすると子どもは自然と自分に「問い」をする習慣が出来き自分の存在を認め自分を頼りに出来るようになるのだと思います。

 

今の時代に適した体験

心理学の勉強もして、なるべく子どもを尊重して育てたつもりです。たくさん承認の言葉もかけてきました。でも、我が子にめでたく「くそばばあ」と言われ「育てた恩も忘れやがってこのくそガキ!」と大人げなく腹を立て、いらんことをいったなと反省する。そんな思春期の人との暮らしを経て思うのは結局思春期反抗期の子どもにしてやれることなんて、衣食住を与ることぐらいないじゃないかと。

それゆえに幼少期の大切にしたい過ごし方が今更に見えてくるのです。

しかし、今の世の中は、小さな頃から失敗が許されないことが多くあって、好きなことばかりしている事が許されない環境もあります。
だからこそ、私は遊びやアートの場で好きなことばかりして、結果だけでなくプロセスも大事にする場を提供したいと思うのです。

「どんな事がすきなの?」「どんな感触が好き?」「何色が好き?」そんな風にその子を知り、認め、その子のやってみたいをやってみる場、自分を存分に感じる場をつくりたいと思うのです。そして、「あなたの表現に感動した。」「あなたのつくったものをみたら心が温かくなったよ」というような「承認」の声かけをして、人としての土台をづくりのサポートをしたいと思っています。

自分を知り、自分を頼りにして、自分らしい道を進める子ども達が大人になったとき、そこには平和な世の中があると信じて活動しています。
そして、どんなに大切に育てても反抗期はくるので、その時は「大人の階段のぼってるよ!おめでとう。」と自分に声をかけてあげたいなと思う次第です。

 

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