【教室の活動】杉並まぶりっく(東京都・杉並区)

こんにちは!東京都杉並区で活動している『杉並まぶりっく』です。

まぶりっく】とは、ヘブライ語で【輝き】という意味です。
誰もが自分にしかない自分らしい輝きをもっています。

様々な素材を使い、思いきり遊ぶアートワークを通して子どもも大人も自由に表現し自分らしさを輝かせる場、それが『杉並まぶりっく』です。
思わず「これ大好きなんだ!」と誇らしくなっちゃう子どもの笑顔、隣にいるお子や、大人に「大好きだあ・・・」と心から湧き上がるものを感じる時間。
月1回のまぶりっくの時間が、参加者の皆様だけでなくスタッフにまで自律的な癒しをもたらす自慢のクラスです☆

さて、そんな杉並まぶりっくですが、3月11日に2022年度の承認式を迎えました。
1年間のまとめとして、会員の子どもたちには、自分自身を主人公とした【まぶりっくストーリー】という写真アルバムを贈っています。
今回は、ある5歳児Uさんの【まぶりっくストーリー】を覗き見しながら、アートワークセラピー1年間の物語をご紹介したいと思います☆

 

アートワークセラピー1年間の物語

2022年度の幕開けは真っ白な大きい紙でした。
『カラフル♪はじまる!まぶりっく☆』<絵の具>
足跡でぺたぺた好きな色、好きな所からスタート☆

 

まぶりっくのみんなあっという間にカラフルに広がりました!
ワークのあと、どことなく満足気な子どもたち。

 

このアルバムの表紙は、ワーク終了後のほっと一息の場面。
色鮮やかな空間の中で、自分自身の居場所を創り出した安心感を抱いているかのように思えます。Uさん、よかったね。ここにあなたと、みんなの居場所が生まれたよ。

 

そして5月は屋外でのピクニックアートワーク!
『ふしぎな実☆ピクニック♪』<粘土×自然素材>
公園の中で粘土を見つけ、季節の植物たちの“生きた”素材を生かしたアートとなりました♪
そうそう、この草花たちは、スタッフの自宅の庭はもちろん廃棄寸前の植物を地域やつながりのあるお花屋さんたちから譲りうけたもの。

 

まだ命ある「ロスフラワー」のエネルギーと子どもたちの創造性。
子どもたちも大人も、その尊さを理解した上で、大切にアートに活かす姿が見られました。
草原の草花を摘むように、畑の農作物を収穫するように、雑草を引っこ抜くようにそして、お花屋さんでお買いものするかのように。

 

Uさんはというと、見つけた色粘土をお団子のように捏ねて、それを土台に生け花のようにして遊んでいました。できたのは、お顔がある不思議な生き物。
おうちに帰ったあとも、テレビの前にちょこんと鎮座。変わらない色粘土の色と、変わっていく草花の色。

 

その対比から生きとし生けるものの尊さを感じていたようです。
人々と自然とのつながりのもと活かされる杉並まぶりっく。感謝しかありません!

 

6月は、青空と雲の世界に飛び出しました!
『おそらのワクワク♪もこもこランド☆』<せっけん>
せっけんを使ったアートワークセラピーです♪

「くもくん」という絵本をテーマに。
「かたちがないこと。それがぼくのかたちかな。」というつぶやきから、とことんプロセス重視の感覚触感アートワークを拡げていきました。

お尻からぼっちゃん!足元であわあわダンス♪色も混ぜてカラフルな空が広がってきました。
Uさんの場合、青を混ぜて、黄色を混ぜて、赤を混ぜて・・・

 

さらにせっけんを足してのプロセスを繰り返し仕上がったのは灰色。
一見、すっきりとしない曇り空のどんより雲の色??と思われるかもしれません。

でも、ある日の曇天の夕方、彼はつぶやきました。
「あの雲、ぼくが作ったくもくんだよ!ぼく、あのくもくんを作ったんだよ。くもくん、ここに来てくれてるんだね。すごいでしょ!」と誇らしげ。
カラフルで色鮮やかである、ダイナミックな表現が生まれたということに価値を置きがちになりますがそれだけではない、内面に紡ぎ出される物語。
想像力豊かな子どもの力を感じた瞬間でした。

 

7月は毎年恒例とっておきのTシャツアートです☆
『ナツ!あおいそら♪あおいうみ☆』<Tシャツ×海の自然素材>
今回は、夏・海をテーマに真っ青な海色のTシャツに海の素材を使って白い絵の具でアートを楽しみました☆
まぶりっくに集まった海の恵みは、スタッフの故郷や、旅先から来たもの☆
日本でいえば、沖縄や、神戸、三浦三崎・城ケ島、相模湾、千葉などの海で拾い集めたものやお味噌汁やお料理のあとに出てきた貝殻たち。日本の海を飛びこえたものも?!
貝殻に耳をあて、海の音を楽しんだり、わかめをゲットして「とったど~!」と狩猟・収穫する子どもも!ぺたぺた白いあとが、さざ波のようにも荒波のようにも、海にうつる空のようにも感じました。

 

Uさんはどうかな?そうっとそうっと、指先でなでるようにアートしてますね♪やっぱり自然素材があると、なにか「大切にしよう」という気持ちが生まれ自分自身の作品を尊重するような姿がみられる気がしています☆
それって自分を大切にしているってこと。アートワークって面白いな。

 

8月はまたまた外に飛び出して、炎天下の中の氷ワークです!
『はっけん!ナンキョクまぶりっく!』<氷>

ナンキョクから氷が直送便で届き…スチロールを開けると!!お宝の山!!氷山には素敵なアイテム、色が埋まっていました☆
水でっぼうで発掘作業。ピュッピュっとしぶきをあげて、指の体温でじっくり溶かして…
ペンギンさん?ビー玉?葉っぱやお花?粘土?何が見つかるかわからないナンキョクまぶりっくをさらに絵の具で掘り下げました☆

 

Uさんはというと…足でひんやり涼を味わいつつ、お宝発掘作業を満喫していました。見つけたペンギンさんも、絵の具で色付け。
溶かす・見つける・アートするのプロセスを堪能し、溶けない想い出をおみやげにしました☆

 

9月はU氏は残念ながらお休み…まぶりっくストーリーも空白ですが、こんな風に新聞で思いっきり遊んだ『ぶんぶん山のひほう?』<新聞>
写真で見ると、火山が爆発したかのようなエネルギー!思いっきり体で楽しんだ後は、ぶんぶん山に存在しているかのような精霊?生き物?たちが降臨しているかのよう!有無を言わさず体で発散、心で楽しむアートワーク!
子どもに秘める大地の躍動!爆発したら、自分がアートに変身したのかな?

 

10月は暗闇をライトで探索…ピカピカな自分をさらにビッカビッカに!!
『プチプチぴかぴか☆ビッカーーーーーーーーーーーン!!』<プチプチ、すずらんテープ、ペンライト>
普段のお部屋を特殊な黒紙で養生して・・・ぷちぷちひらひらカラフルビッカン遊び☆ひらめきパワーで等身大の自分をアートすると…どんな光が拡がっていくかな?
空間に吊るして、電気を消して、ペンライトを照らして自分を見つけて。

 

自分の姿から広がる光、自分を照らすと反射する光、それぞれの個性が乱反射!
おや?Uさんは一生懸命等身大の自分を青いしましまでアート。
「できた!ぜんぶ、自分でかいたんだよ!!」
自分だけで描きあげた自分のぴかぴかなひらめき。おうちに帰ってからは、太陽の光を浴びれるよう窓にぺたっとくっついて今も個性の光を反射させてくれています☆

 

11月は、森に飛び出しアートワーク!
『⁂もりのすづくり*ふゆじたく⁂』<段ボール×自然素材>
杉並区民の憩いの森、我らの「都立善福寺公園」での野外アートです!杉の木の広場で集合して、素材集めのお散歩から。

 

そう、今回は、「巣作り」「冬支度」がテーマです。
公園に落ちている実や枝、石ころ、土の他、スタッフの「藁」もメイン素材にそれぞれの「巣」をアートしていきました☆

 

段ボールを使ってダイナミックに、自然素材を使って繊細に。
動植物、昆虫の巣のようなものもあれば、乗り物のようなもの、大好きなものがいられる巣、母親や父親、スタッフ、自分自身が「巣」のようにアートになることも。
秋空に黄金に色づく銀杏の木のもとで、それぞれの「巣」が生まれ、自然とつながり、大きな大きな「巣」という一つの共同体を感じたワークでした☆

 

え?Uさんはって?大好きなスタッフをガムテでぐるぐる…冬を超えるために狩猟した獲物?!

 

自分の巣も完成し、冬を越す栄養もゲットし、それはそれはご満悦でした!!

 

いよいよ季節は冬となり、1年のアートワークセラピーも終わりに近づきます。
12月は、みんながワクワクと心待ちにする特別な季節。
『まじかる?!まぶりっくツリー』<霧吹き絵の具など>
ツリーに色付けをし、空間全てに魔法をかけていきました!中心にどんっと佇むオリジナルのカラフルなツリー。
それぞれの色が混ざり合い、溶け合い、変化していくプロセスを味わい、楽しみ
小さなツリーを作ったり、自分がツリーのようになったり、特別な日のためにはさみでちょきちょきし続けたり、それぞれアイディアがアートに魔法をかけました☆

 

U氏はというと、どいうプロセスかはわかりませんが、ミニツリー(円錐)の形から着想を得て、「鳥」をアート。
でもね、最初、アルミホイルをちっちゃくボールにしてたんです。指でちっちゃくちっちゃく潰して…「これなあに?」ときくと、「心臓!」「えっ?」
なぜ、クリスマスの時期に、ツリーを彩ったあと、「心臓」になるのかわけがわかりません。

そのあと、養生テープを細く丸めていきました。「これは?」「食道!」「はっ!!」そうです。鳥の中を作っていたんです。
心臓、食道、気道を作ってから、鳥のフォルムを作っていくという…
まさに子どもは、「まじかる?!」です。不思議でしか、ない。子供の想像力無限大。

 

さて、2023年になりました。ワークも終わりに近づき、あと3回です。
そして、1年の始まりの季節でもあります。
『ふわぽかさらさら❅ゆきあそび』<綿×パステル>
白い不織布の大きなシートにふわふわの綿を仕込んで、雪に見立てた綿遊び。
好きな色のパステルを削って、色雪遊び。

 

粉雪のように色を舞い散らせるプロセスに、子どもたちは目をまんまるくさせ、色と綿の変化を楽しんでいました。
ふわふわでもこもこ、雪ならではのアートもあれば、雪道を照らすランタンや猫バスのごはん、色とりどりの美味しいものなどやっぱり自由なアートです♪
Uさんはどうだったかな?綿遊びで、ごっつんして涙したので、アート素材でお手当して復活!そのあとは、パステルの色遊びに没頭。粉薬を作るかのように調合を楽しんでいました。

 

2月は、年度の終わりの前の回。
たくさん遊んだ子どもたちが飛びだっている助走の期間?
今回は、『⇔つながるミチのせかいチズ⇔』<ガムテ、コラージュ>

 

壁まで広げた白い大きな模造紙の上に、好きな色のガムテで自分の道をひろげていきました。
べたべた、ビー!くねくね、まるまる、まっすぐだったり、寄り道だったり。やっぱり、自分の道。自分のペースで、自分のやり方で、自分のスタイルで。
それぞれの人生を開拓するかのように、道を拡げてくれました。
自分の道で何を見る?何が見たい?あったら嬉しいもの、創り出したい世界は?
写真や雑誌の切り抜きなど、視覚的なコラージュ素材で、自分の選びたいものを選び、好きなように好きな場所にアートする時間。ひたすら素材を選び続ける子も、素材を切って、再構築しアートする子も、素材を立体的に仕上げる子も、好きなもので満たす子も、宝物のように持って帰る子も。無限に広がる、それぞれの道と世界でした。まさしく未知の可能性!子どもたちの力です。
Uさんのお気に入りはブラックホール!地面だけでなく壁にもぺたぺた。宇宙空間に木々があったり、車や電車があったり。コラージュならではの表現を堪能したようです。

 

ここまでで、まぶりっくのアルバムはおしまい。いったん完了し、旅たちの準備は整いました。そして、迎える「承認式」です。

 

『パタパタはばたくはるのそら』<プラ段 羽>
はらぺこあおむしの物語。あおむしがむしゃむしゃ食べたように、まぶりっくのみんなも1年間のアートでたくさんたくさんアートの栄養を満たしてきました☆
はばたきのとき。
パタパタと、自由に、春の空にはばたく日。ちょうちょのように、鳥のように?それとも?
自分なりの「はね」をアートしていきました♪

 

お母さんと一緒に。お母さんも隣で。お父さんも夢中に。お父さんも堂々と。
それぞれの「はね」をはためかせて、承認の時を迎えました☆
本当に素敵で、本当にかわいらしく、本当にかっこよくって、本当に素晴らしい!
本当に豊かで、本当に大切で、本当に面白くって、本当に謎!!!

 

Uさんはというと、はねには目もくれず、緩衝材とモールで「ぷっちょくん」をたくさんたくさん作っていました。モールとモールでアートしはじめ、「鍵!!」何を開けるのかは、秘密のようです。

 

杉並まぶりっくでは、「ああ、もう、大好き!!」思わずこっちがにんまりとしちゃうようなみんなの嬉しそうな笑顔、恥ずかしそうな姿、もちろん、ちょっと不満気の時だってあります。それも正直に伝えてくれる子どもたちの想い。
そこに寄り添い、共に遊び、肩を並べて創り出していく母や父の姿や、まなざし。
たくさんの「輝き」がここにあります。

「ここにいてくれて、ありがとう。」「一緒に遊べて楽しかった。」「あなたがいることで、私が嬉しい。みんな嬉しい。」
アートワーク、美術、工作、モノづくり、職人、作業、無我夢中、お絵描き、感覚遊び、発散、癒し、自己表現、親子の時間、創造性、自由な時間、非日常、子育て支援習、習い事、絵画教室、などなど、アートと子どもに関わるものは、その方向性や価値など様々かと思います。

アートという無限の可能性を秘めた創造活動のプロセスを通して、一人一人が、「今ここ」に在ること、隣にいること、生きていることを承認する時間こそが、杉並まぶりっくの醍醐味です。

 

それぞれの豊かな在り方がアートを通して、そしてこの時間を通して、内面の体験を深め、自分自身の人生を拓いていくよう、私たちは活動しています☆

杉並区子育て応援券も使用できますので、杉並区の地域の子供たち大人たち、そして区外の方ももちろん!一度、杉並まぶりっくに遊びに来てみてくださいね!
ウェルカム!お待ちしております。楽しいよ~!

 

ps保護者の皆様

『毎日お疲れ様です!子育てに仕事に、自分の人生に!まぶりっくでたくさんアートして楽しんでね。子供と一緒でも、離れてもOK!気づけば疲れも吹っ飛んで、充電されちゃうよ!ぴかぴかきらきら光っているのは、お父さん、お母さん、あなたもです!』

☆2023年度は4月22日、5月27日を予定しています(6月以降は調整中)☆
現在、体験受付可能(キャンセル待ち)です。
インスタもあるので<suginami_mablik_artwork>ご覧ください!

NPO法人子ども未来研究所
杉並まぶりっく 黒川 史野

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