セラピストインタビュー Joyfulya♡古屋彩夏さん

自分の存在を“まるっと”受け入れてもらえる場を、子どもたちへ

 

アートセラピーに出会い、不器用な自分もまるごと愛せるように

私は昔からとっても不器用な人間でした。勉強は嫌いだし、かと言って運動も苦手。絵を描くと「バランスが悪い」と言われ、お世辞にも上手とは言えません。周りの人たちのように器用に生きられず、いつも「あれも違う、これも違う」ともがいていました。

そんななか出会ったのが、アートセラピーでした。ただただアートを楽しみ、「彩夏ちゃんのアートからは、温かいエネルギーを感じる」と、そのままの自分を承認してもらえることが、とても心地良い体験だったことを覚えています。

次第に「自分のアートって、案外いいかも」と思えるように。今では、ぐるぐると色を塗っただけの、自分でも何を描いたか分からないような作品も、全てが愛おしいです。お気に入りのアートが増えるごとに、不器用な自分のこともちょっとずつ愛せるようになりました。

「子どもの頃からこんな体験ができたら、もっとその人らしく生きていけるのではないだろうか」と感じたことが、アートワークセラピストになるきっかけになりました。

 

「あなたのままで大丈夫」と伝えたい

アートワークセラピストになる前は、児童養護施設で働いていました。心に傷を抱えた子どもたちと向き合うなか感じたことは、ありのままの自分を受け止めてもらえる体験ができないまま大人になってしまう子が多いこと。さらに学校や社会に出ると「評価」があり、基準を満たさなければ「ダメ」と言われ、苦しい思いを抱えてしまう……。

そんなとき、「あなたのままで大丈夫だよ」と言ってくれる人がたった1人でもいたら、明日も頑張れそうな気がするんです。

児童養護施設の子に限らず、何かに苦しんでいる人、悩んでいる人へ、自分の存在を“まるっと”受け入れてもらえる体験を届けたい―。そんな想いを込めて、アートワーク教室Joyfulya♡を開催しています。

 

アートワークなら、子どもがしたい表現を自由に発散できる!

Joyfulya♡では、「やっちゃダメ」「こうしなさい」はありません。黙々と工作に熱中したり、スライムを作ってひんやりした触感を楽しんだり。夏には外で水風船を投げ合い、子どもも大人も全身びしょびしょになりながら、きゃっきゃと笑い声をあげています。

生き生きと遊ぶ子どもたちを見て、保護者の方も「自由な場所って大事ですね」「子どもがこれからどんな成長をするのか、ワクワクしてきました」とうれしそうにお話をしてくれます。

絵の具をぶちまけたりスライムまみれにしたりなんて、学校や家では、そりゃできません。安心・安全な環境が整ったなかで思い思いに過ごせるって、きっと子ども大人も心地良いですよね。

 

「こんなことをやりたい!」が湧き出るJoyfulya♡へ

あるとき、ちょっぴり恥ずかしがり屋な女の子が「1年かん ありがとう」と黒板に書いてくれたことがありました。口では言えなくても、自分なりの表現方法を一生懸命考えて感謝の気持ちを伝えようとしてくれたことに、思わず感動しました。「自分を自由に表現できる」というアートワーク教室の魅力が、子どもたちにも伝わったように思えた瞬間でもあります。

私が思い描くJoyfulya♡は、「こんなことをやりたい!」が湧き出る場所。「やりたい」を思いっきり自由に表現して、自分の存在を“まるっと”受け止めてもらえる体験を味わってほしい。最初は「何をすればいいの?」「この素材は使っていいの?」と不安そうに訊ねていた子が、目を輝かせながら「私はこれがやりたい!」と言ってくれたときは、自分のことのようにうれしくなります。

子どもたちのアートを見ると、目の前にわぁぁぁっと素敵なイメージの世界が広がって、胸が熱くなるんです。可能性に満ちた子どもたち一人ひとりが、キラキラと輝けるJoyfulya♡であり続けたいですね。

 

文:ライター舘岡美香

 

教室の詳細を確認

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう