子ども未来通信第28号 モーリーの森

子どもたちひとり一人が、自分を認めて、お互いを認め合う世の中を創り出すこと
子ども未来通信は、子ども未来の活動内容やアートワークセラピストの視点から語る子どもたちの様子や心の成長などをコラムを通して皆様にお届けしていきます。

日本のお盆はアートセラピー

8月中旬というとお盆の季節です。
日本の地域によってお盆の時期は異なり、行事や風習も様々です。
8/13にご先祖様を迎え入れ、8/16に送り出す。という地域が多いようですが、皆さんのお住まいの地域はいかがですか。

私が子どもの頃に祖母から教えてもらったご先祖様の迎え入れの行事や風習、おもてなしはアート表現、心が癒されていくプロセス、アートセラピーと似ていると思うんです。
仏壇がある部屋はなんだか怖い雰囲気がありました。
でも、お盆になると花柄の提灯を飾り、電球を入れてくるくるまわって供花も普段より豪華で鮮やかな落雁(らくがん)が飾られ明るくご先祖様をお迎えする準備にわくわくした記憶が残っています。



 

お迎えの準備はこころの準備

祖母が割りばしでつくったはしごや、キュウリの馬、なすびの牛を仏壇の前に飾り、「このはしごを登ってご先祖さまがキュウリの馬に乗って帰ってくるんよ」と毎年 お盆になると説明してくれました。
白い迎えだんごをつくり玄関先で迎え火を炊いてご先祖様をお迎え。

こちらの正式名称「精霊馬(しょうりょううま)」と言います。
キュウリを馬、ナスを牛に見立て、「牛馬」と呼ばれることもあります。

ご先祖様はこれに乗って家族の元に帰ってくるのです。
馬は足が早いので、少しでも早く家族のところに帰ってきてもらえるように。
牛はたくさん荷物を運べるので、お土産をいっぱいのせて、ゆっくりあの世へ帰ってもらえるように…。
そんな願いが込められています。

昔の人がイメージして野菜で動物を表現して意味づけしたことがずっと受け継がれているってすごいですね。
お迎えは、白いだんごで帰るときは、きな粉もちで送る送りだんご
先日、娘と迎え団子をつくりました。はい、〇型にはすんなりつくりません。
そして、粉がドロドロ、もちもちしていくプロセスを楽しんでました。

作るプロセス、そして食べる  五感を使うアートセラピーです。

故人を思い出し、食べ物をお供えし、飾り付けをしていくプロセスは、慈しみの心を育み気持ちを穏やかにしていくお盆のアートセラピー。
ご先祖様がいなければ自分という存在はこの世にはいません。
ご先祖様を思うことは、自分という存在と繋がる機会でもあります。
みなさま穏やかにお盆を迎え過ごせますように。

 

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