子ども未来通信第31号 アートワークセラピストのアハハコラム

子どもたちひとり一人が、自分を認めて、お互いを認め合う世の中を創り出すこと
子ども未来通信は、子ども未来の活動内容やアートワークセラピストの視点から語る子どもたちの様子や心の成長などをコラムを通して皆様にお届けしていきます。

10月と言えばハロウィンです。
クラスでも、この月は、なりたいものになるというアートをクラスで行うことがあります。
本来の海外でのハロウィンとは全く違う形で日本に根付こうとしているようですが、仮装する。何かになると言うことは実はいろいろな自分を保つ上での大切な役割を担っているように思えるのです。もちろんそれに伴う犯罪行為や迷惑行為は良くないことですが、発散したり逃避したりそんなことに一役買っているように感じています。

 

【変身する楽しさ】

小さな頃、ごっこ遊びで何かになると、あたかも自分がそれになったような気持ちになって、見えない敵と戦い、ものすごく強い自分になってバッサバッサと敵を倒してみたり。
ただの家の畳の部屋が舞踏会の会場になって、そこにはいないはずの王子様とダンスをしたり、そんな経験をしたことは無いでしょうか?
その瞬間は、別の世界へいっているようなそんな時間です。
クラスでも子ども達はたくさんの楽しく豊かな世界をありありと語ってくれます。
その世界に一緒におじゃまさせてもらうと、楽しくてついついその世界に長居をしてしまいます。
我が子の話になりますが、2,3歳の頃は機関車トーマスになっていつも、シュッシュッシュッといって、走っていた記憶があります。
何かになって、日常の自分では得ることが難しいチカラを、遊びから育てそして、おおきくなるのかもしれません。

 

【ごっこ遊び、空想あそびの大切さ】

想像力は、他者の気持ちを想像出来る。未来を想像できる。このようにとても大切なものです。その他にもスポーツなどでのシーンでも実現するチカラとして発揮されることもあります。
喪失感や別れ、不安、恐怖、そのような事を乗り越える時にもこの想像力が一役かいます。

お子さんが、嘘みたいな作り話を始めたときに「そんなのうそでしょ」や「ちがうよ」など訂正したくなる場面もあると思います。
そんなときはいったん深呼吸して、よくよくその嘘に聞こえるお話に付き合ってみてください。面白い話をたくさんしてくれます。そして、以外と子ども達は嘘と現実の違いをきちんと認識しているので大丈夫です。
そしてそのたわいもない遊んだ経験が、全く関係のなさそうな、もう少し先の未来で自立していくとき、誰かと悲しい別れをしたときに、その子を救ってくれる想像を働かせるという小さな種となって、心を支えてくれるのです。

 

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