復活!グロースセミナー

3年ぶりの開催となった、2022年グロースセミナーは、9月19日に64日間のファイナルを迎えました。



 

「自分で決めて、自分で行動して、自分で欲しい結果を創り出していく」

こんなコンセプトで、子どもたちの自立を支援する野外体験学習は、コロナ禍での中断をはさみ31回目をようやく実施することができました。

今年は人数を半数に抑えての小規模開催でしたが、子どもたちは例年通り果敢にプログラムにチャレンジしていました。
グロースセミナーでは、起床時間以外はすべて子どもたち全員で決めて行動します。
カラダよりも大きな岩に立ち向かわなければならない白雲山登山、高原から士幌の街まで公道を30キロ走り降りていくマウンテンバイク、暗闇の中を2.5キロ無言で歩くナイトハイクなど、おとなのボクたちでも相当な覚悟が必要なプログラムばかりです。



 

グロースではこういったプログラムを提案し、その危険性や得られる価値を伝えた後に、子どもたち自身で「やるのかやらないのか」を決めていきます。

多数決やじゃんけんはグロースでは認められません。個々の考えを伝えあい、ひとりでも違う意見があればその意見を尊重し、とことん話し合いが続きます。ですから、実習をやるのかやらないのかを決めるまで、どれくらい時間がかかるのかは予想がつきません。その間、ボクたちスタッフは黙って見守るだけ。

 

話し合いが滞り、結論が出ないまま時間が過ぎていくことは毎回のこと。日本の文化では周囲にあわせて迷惑をかけないことを集団生活で学びます。
これは社会生活をスムースに送るうえで大切なことではありますが、「自分はどうしたいのか?」を置き去りにしてしまうだけでなく、自分で考える力をないがしろにしてしまう危険性があります。グロースセミナーでは、どんな些細なことも「自分で考え、自分で決め」ていきます。もちろん決めたとしても、それを全員が受け入れるかどうかはわかりませんから、必然的に話しあうことになるわけです。だからこそ、どうしていいのかわからなくなる時間は、子どもたちにとって心を育てる大事な時間となるのです。

東京で猛暑日が続いている中、士幌高原は雨、おまけに気温が15度以下の寒さが続きました。レインウェアを着たままの実習ばかりでしたが、子どもたちは真剣に話し合い、おもいきり楽しんで実習に取り組んでいました。

 

子ども達の感想

  • 2学期がはじまって、クラスの係を決めるとき、まえまではのこった物をえらんでなんでもいいやと思っていたけど、グロースに行って自分でやりたいことを考えてえらびました(小3女子)
  • グロース帰りの電車の中で山のぼりのことを思い出しました。いっぱいころびましたけど、がんばった分ちょうじょうについた時の、たっせいかんがすごかったことを思い出しました(小6女子)
  • ぼくがグロースで楽しかったことは3つあります。ひとつは1日目にやったグループわけです。自分の意見を話せていいグループができてよかった(小6男子)

子どもたちは子どもたちなりに、大自然の中、自分で考えてやり遂げた数々のチャレンジから多くを学び、大切な経験として心に刻んでいるようです。保護者の皆さんのお子さんへの愛情や自立への願い、そしてこのグロースセミナーを大切にしてサポートを続けてくださる北海道のオヤジさんたち、そして毎回かかわってくれるボランティアスタッフの面々。グロースは大きな家族のように子どもたちと自らの成長を願うメンバーの集まりで実施されています。

ボクたちスタッフは、来年に向けて、また準備を始めます!

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