子ども未来通信第38号 モーリーの森

子どもたちひとり一人が、自分を認めて、お互いを認め合う世の中を創り出すこと
子ども未来通信は、子ども未来の活動内容やアートワークセラピストの視点から語る子どもたちの様子や心の成長などをコラムを通して皆様にお届けしていきます。



 

プロセスを楽しんでいるうちに達成していくこと

日も伸びて季節は春へと近づき、活発な時季となってきました。

小学生のお子さんでしたらハイキングや山登り、幼児さんでしたら近所の公園までの道のりをお散歩するのにもってこいの季節といえます。

ハイキングや山登り、散歩をする際に
目的地へ向かうまでのプロセスに一度着目してみませんか。

子どものアートワークセラピー教室「モーリーキッズ」を森を環境として16年ほど開催しているのですが小学生の子ども達が片道約1時間~1時間30分の道のりを歩きます。
1年生にあがりたてのお母さん方は「うちの子歩けるかな」と心配されるのですが、そんな心配をよそにぐんぐん奥へと歩き、帰ってくるときの子どもは、イキイキした表情で帰ってくるとお母さん方はおっしゃいます。

教室では、目的地へ行くことを目的におかず、目的地へ行くまでの道のり、プロセスで子ども達が関心をもつもの、興味あるものに気持ち傾けながら歩みます。
歩くことがあまり好きではないお子さんも木の棒をふりまわしたり、石をけったり、溝にながれる水に葉っぱを流したりしながら森を歩き、いつの間にか目的地に到着していました。

小学生クラスを卒業した中高生や大学生が時々、サポーターとして来てくれるのですがこどものときに何をしたかは覚えていないけど、何かいつもわくわくして楽しかったと言います。

目的地までのプロセスにわくわくして、楽しんでいたようです。

子ども未来研究所の各教室のアートワークセラピーでも、こどもたちのアートしたものが上手、下手という評価ではなく、こどもたちが画材を触って何かを創り出すプロセスを大切にしています。
子どもは、成長とともに興味をもつもの、ことも進化して、幼かった頃に遊んでいたこともいづれしなくなる。
幼かった自分のプロセスに寄り添ってくれる、見守ってくれる、一緒に遊んでくれる、そんな人がそばにいると 自分が大切にされている感じしませんか。

 

非認知能力

非認知能力という単語を耳にされたことがありますか?

IQ(知能指数)のような数値で測れる知的な学力ではなく、目には見えない、「数値化できない力」のことだそうです。

昨今注目されている自己肯定感やレジリエンス(心を強くする)といった「生きる土台となる力」「あと伸びする力」「生涯の学びを支える力」などと言われています。

この「非認知能力」は机上の学習からではなく、豊かなアウトドア体験で大いに得ることができるという説があります。(参考著書「アウトドア育脳」)

平坦ではない野山を駆け回ることで普段とは違う体の動かし方ができ、自然の奥深さは、無限の好奇心を刺激し、脳の様々な領域を発達させるそうです。

子どもの脳の発達だけでなく、高齢者の認知症リスク低減にも効果的なアウトドア体験。

活動的になってくる春先から親子で自然のあるところへ出かけてみませんか?

 

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