能登支援活動報告(Vol.2:2024年3月)

2024年3月の支援活動

3月4日の夜行バスに乗り能登に入り3月6日の新幹線最終便で能登から戻って参りました。

今回の能登は、コーディネーターさんを通さず、NPO法人子ども未来研究所として能登に入る初回の能登入りと言うことになります。
今回の能登入りの数日前に七尾復興共有会議にZOOMで参加させて頂き、被災地の今の問題や大人たちの話し合いを目の当たりにしました。がれき処理について、ゴミの捨て方、仕分けについて、仮置き場いっぱいで、仮の仮仮仮置き場の話。その資金について、国からはいくら出るのか、市の職員さんも答えられない現状。ニュースでは復旧は終わり復興に移ったと発表されているけれど、市の2割はまだ水道が出ていない。

会議はサインライフプラザで行われたのですが、そのZOOM会議の途中でも出ていたはずのお水が何らかの原因でとまったのでしょう「水道が止まりましたので、お手洗いは仮設トイレでお願いします」のアナウンスが流れている現状。

私たち子ども未来のやっている事は、復興の分野です。その会議に参加していても、軽トラで毎日懸命にがれきを運ばれている方たちの中で、自分の所在のなさと、もどかしさで、なんとも言えない気持ちを抱えながら会議を終えました。

それでも、町が抱えている問題は、子どもたちに影響がないわけがありません。
大人が精一杯頑張っているときは子どもは、いったん静かにしているのだと言うことは簡単に想像出来るでしょう。

子どもたちの心の話は一切行われていない現状であっても、とにかくひとしずくかも知れないけれど、出逢った子どもたちと楽しい時間を過ごそうと心に決めて能登に入りました。

 

能登での活動

七尾は能登らしい曇り空の寒空と雨と曇り空が交互にくる能登でした。
今回は、七尾サンライフプラザさんへのアートセラピーは「光で繋がる」をテーマにしました

ゴミ問題がある点、お水は時々止まることもある点、などを考慮する。避難所が合併していいるので、繋がりを感じる事が出来る大きな合同アートも用意しておく。前回のアートからのニーズもかんがみる。そのような点を取り入れながらのプログラムを作りました。

幸い大きなガラス窓がありましたので、そこに、カラーセロハンを水で貼り付けて飾りみんなが集えるスペースにしてみました。前回、子どもも、大人もとにかくキラキラしたモノがものがよく使われていた事もあり、能登は冬はお天気が悪く日照時間が少ないという事も聞いておりましたので、光をテーマにして、作品を光らせることができるランタン風なモノにしようとなったのです。「春」を表現しようという事も考えましたが、前回の2月にあるお宿の前に、門松がそのままになっていたのを目にしていたので、時の流れや季節の巡りはもしかすると、この今の現状では、人それぞれなのじゃないか?ということも思い、春と言う言葉もこちらから提案することはやめることにしました。

前半は、避難所のシニアの方たちが集まってアートをしました。長居をする方が結構いらして、制作した後は、光のともされたアートを見ながらゆっくり現状のお話を吐露されたり、「アートをして満足したいんです」と試行錯誤でものすごく集中してアートをして行った方もいらっしゃいました。4時頃になると学校から帰ってくる子どもたちがやってきてアートして行きました。

子どもたちは、最初遠慮がちにアートして居ました。しかし、あれ?ここなんか自由だぞ。と感じ取ってくれたのでしょう。「いいの?」と2個目3個目と表現が加速して制作しだし、なんと7個の作品を作り上げた子も出てくるほど、表現があふれ出ていきました。
アイディアが止まらず「こうしよう!」「あーしてみよう。」「今度はこれをする!」最後には持って行ったメイン画材が全てはけるほど! お迎えにいた親御さんに「まだやりたいから買い物をしてきて!」と延長を懇願し、本当にイキイキとキラキラと、表現をして居ました。光の世界を色別に表現する子、大切な人にあげたい子さまざまでした。

共通していた点としては、青の光から始める子が多かった点と、最後に作品にリボンをかける子が多く観られた点です。

ストレスを発散するような攻撃的な表現は今のところは見受けられないです。でも、毎回思うのは自分らしい表現を押さえている感じがする。これは大人にも共通している能登の方の優しさのように感じます。

「他の人と比べたら、私はまだ良い方。」
この台詞をいろいろなかたから何度聞いたことか。

「避難所で毎日いさせてもらっているのに身体のためにプールにいってもいいかしら?」
そんな風に思う方も居て驚きました。

とても奥ゆかしくて優しくて、繋がるまでは少し距離があるけれど、ひとたび仲良くなればとっても人を大切にする、暖かな人柄、それを支える野性味というか、わかりませんが日本海の影響なのでしょうか?東京とは違う野性味のようなダイナミックさのあるパワフルさを感じる方が多い印象です。
子どもたちも大人たちも。

これから、私たちが出来る事はそれぞれの辛さは比べなくて良い。
あなたが大変ならばそれが真実であると、そこに寄り添わせていただく事なのかも知れません。

アートはそれが出来ます。アートセラピストがそこに居ることで、言葉にまだならない事、言葉ではダイレクト過ぎる事が、優しく比喩的に、話した気持ちになることが出来る。画材の選定をアートセラピストがする事で安全な五感の刺激をもとに、それを自然にする事が出来る。

セラピストの技術を使わせて頂けていることに感謝しかありません。
募金をくださった方、画材で援護してくださった方、今までセラピスト活動で出逢ったクライアントとの経験、それが全てが集まって出来ているのだと感謝しかない被災地でのアートセラピーの旅でした。

また能登に行きます。今後とも見守ってくださると嬉しいです。

 


 

是非子ども未来のこの活動に賛同してくださる方、能登への派遣には資金が必要です。
是非募金をよろしくお願い致します。

 

 

活動報告


こちらの活動は4月9日にベネッセこども基金様と日本財団様からの助成金の活動対象事業となりました。

応援してくださっている皆様からいただきました募金で出発させて頂き、その後助成金が振り込まれ、現在はそちらで対応させていただいております。
皆様からいただきました募金は今後助成金額ではまかないきれない、部分もありますので、そちらへ再び活用させて頂きます。

これからも引き続き見守って頂けたらと思います。
初動をいち早く安心して行動できましたのも、皆様から募金があってこそです。ありがとうございます。

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