【教室の活動 23年8月】グレイトマウンテンズ(東京都・門前仲町駅近辺)

こんにちは。
江東区門前仲町で活動している「グレイトマウンテンズ」です。

わたしたちは、月に1回(主に第4日曜日)、小学校1年生から6年生までを対象に、アートワークセラピー教室を開催しています。
また、年数回、アートカフェというスタイルで親クラスも同時開催しています。今年で11年目になります。

門前仲町(もんなか)は、下町情緒が残る魅力あふれるエリアで、グレイトマウンテンズの会場の近くには、「八幡さま」や「お不動さん」と呼ばれる社寺があり、付近では定期的に骨董市が開かれたり祭りが開催されたりと、大変活気のある場所です。
またおしゃれなカフェや老舗の和菓子屋さんもあり、教室の帰りには、もんなかお気に入りスポットでの親子デートを毎回楽しみにしている親子もいるとか!?
グレイトマウンテンズはそんな地域に愛される寺社や街並みに守られエネルギーをもらいながら、毎回楽しく開催しています。

今回は、8月に開催したセッションの様子をお伝えします。

 

8月開催セッション

この日は、夏休みの最後の日という子が多く、子どもたちと会えるのを心待ちにする私たちは、子どもたちが元気いっぱいの姿で現れるであろうことを想像していました。
ところが、現れた子どもたちは、

「こんにちは!日に焼けたね!」という私たちに
「ボソボソボソ、、、。」

あれれ!いつもと何だか違う。元気がない。それも一人じゃなくみんなそんな感じ。宿題が終わっていないのかしら?

よくよく話を聞いてみると、どうやら夏休みに詰め込まれた遊びを含んだたくさんのスケジュールをこなしてきて、やや疲れている様子でした。でも少しずつ話してくれる内容から夏休みを満喫できたことがわかり少しホッとしました。

挨拶のあとは、その日のテーマにちなんだお話をします。

その時に、絵本を読むこともあれば、写真をみたり、ざっくばらんにテーマについて雑談したりすることもあります。そんなふうにイメージを広げていく土台を作ります。
今回は、絵本を読みました。おばあちゃんが作る不思議で素敵な“びんづめ”のお話です。シンプルなお話ですが挿絵がとても素敵な絵本です。

絵本を読み進めるうちに、子どもたちが絵本をジーっとみつめ、その世界に惹かれていく様子が伝わってきました。絵本に登場するおばあちゃんは、文章では“つまらない”暮らしぶりとなっているのに、挿絵ではとっても不思議なことをしているし、まるで冒険のようなことをしているので、「ぜんぜんつまらなくないじゃーん!」「瓶にパンダ入ってる!」「なにこれっ!!」と子どもたちの突っ込みどころ満載。この子どもたちの反応にわたしは心の中で拳を握りました。
絵本を読み終わるころには、最初は元気のなかった子どもたちが、すっかり元気になっていました。

小学校の子どもたちですから、幼児と違い、普段は絵本を読むことは少なくなっています。けれど、グレイトマウンテンズで読む絵本は、小学生が退屈しないようなもの、挿絵も素敵で、テーマに合っていて、ワクワクしたりドキドキしたりほっこりしたりと心が動くものを選んでいます。
 「子どもたち気に入るかな?」とニンマリしながらの絵本選びもなかなか楽しいものです。

そしていよいよ、メインのアートワークです。
絵本の中のおばあちゃんの“びんづめ”は、いろいろと不思議なもの、楽しそうなものがありました。そしてそれはおばあちゃんが地球で大切にしたものたちが詰まったものでした。
「みんなが残しておきたいもの、大切にしておきたいものがあったとしたら、それはどんなもの?好きなものかもしれないし、楽しいと思うものかもしれないね。」
そんな声掛けのあと、じぶんが思う、大切なもの、残しておきたいものをびんに詰めてアートしてきます。

すぐにイメージが浮かばない、そんな時もあります。

そんな時にはまず素材を見たり触ったりしながら、じっくりとイメージが浮かんでくるのを待っている子もいます。そうしているうちに、
「あ!ひらめいた!」
そんな声がすると、教室の中に一気にワクワクが広がります。

今回のメイン素材は何といっても「びん」!

大中小いろんな大きさのびんと、びんと相性のよさそうな素材を用意しました。
素材はいつも彼らにインスピレーションを与えたり創作意欲を高めたりします。グレイトマウンテンズには、長く通っている子、最近通い始めた子、高学年、低学年、男の子、女の子、いろんな子がいて、使いたい素材や画材の好み、好きなアート表現も様々。素材選び一つとっても、その子らしさが表れてくるから、選択肢に幅が出るよう、毎回丁寧に準備しています。

「小さいのもある~!」「え!大きいのも両方使いたい!」子どもたちの希望は様々です。

この日は多くの子が2~3つのびんを使ってアートしていました。
粘土で作った鳥をびんにいれている子、お花のような形にしたものをびんに入れる子、
色のついた砂を重ねて入れる子。
「そうだ!こうしよう!」
「あー!うまくいかない!」
「ねえねえ!見て見て!」
いろんな声が聞こえてきました。

作品作りが進むにつれて、どんどん賑やかになり、瞳がキラキラして、何かが湧き上がってきている様子です。
自由な表現ができる時、子どもたちは本当に生き生きしています。それは、子どもたちが本来の自分と繋がっている瞬間とも言えるかもしれません。

作品づくりはどんどん進みます。
びんにカラフルな素材を入れたあと、びんの口と口をテープでぐるぐる巻きにして、2つのびんを1つに繋げたり、大きなびんの中に小さいびんを入れたり。その小さいびんの中には何やら人が手をつないでいる絵!

「わあ~。どうなっているの~。」作品を見たほかの子からも声があがります。
「ええ~!そんな使い方もできるんだね!」
セラピストが思いもしなかったびんの使い方をしていました。子どもたちの発想は本当に豊かで毎回そのことに驚かされます。その子の中にある物語や可能性や輝きやその子らしさが作品にあふれてきます。

みんなの作品が完成に進み、承認の時間が楽しみになってきました。

承認の時間は、私たちがとっても大事にしていて幸せな時間です。創作をするだけではなく、共有する、受けとる、承認する。それがあるからこその安心して表現できる場所なのだと思います。

セラピストたちが一人ずつ出来上がった作品のお話をきいていきます。今回は何だか愉快な作品ばかりです。

いつもは、出来上がった作品について、
「ここがこうだったから、こうして、ああしてこうなって、、、」とたくさん説明してくれる子もいるのですが、今回は、「ん?」なぜかたくさんの説明はありませんでした。
でも作品やそれを見つめる子どもたちの眼差しを見て私は納得しました。今回は、たくさんの説明は要らなかったのです。子どもたちは、
「見ればわかるでしょ!どう?素敵でしょ!!」
と言わんばかりの満足そうな表情をしていました。

作品を見て、その子らしさや表情が見えてくる。アートワークセラピーの素敵な一面です。
さらにセラピストから感じたことを伝えると、子どもたちの気づきも深まっていきます。

今回は、来た時よりも子どもたちが元気になって帰っていきました。とても充実した時間でした。

子どもたちは毎回、自分の作品に満足できるとは限らず、「なんだかうまくいかなかった。」「変な風になっちゃった。」そんな感想を持つこともあります。
でも、グレイトマウンテンズでのアート表現に正しいも間違いもなく、うまいも下手もなく、とことん子どもたちと作品に寄り添い、100%の承認を出していく。だからこそ、子どもたちがのびのびとアートできるのだと考えています。

こんなグレイトマウンテンズにご興味を持った方、ぜひ遊びにいらしてくださいね。
お待ちしています。

詳細はこちらから

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう