2023年グロースセミナー活動報告NO.1
『イントラ編』

今回の活動報告はグロースセミナーのスタッフのインストラクター通称イントラの活動報告です。イントラはチームを担当し子ども達のチームの中にがっつりと入る役割をしています。

活動報告を読む前に

グロースという場の素晴らしさを語るとすれば、そこには大人も子どもも一人一人が必ず自分で考えて行動していると言う点です。
そして、子どもの頃からグロースに参加し大人になってからはスタッフとしてグロースを支え、そのあり方を継承している所にあります。

その世界を想像しながら読んでみてください。 あなたなら、どう行動するでしょうか。子ども達にどんな問いをどんな気持ちどんな考えを届けるのでしょうか。

一人の行動が、必ず何かしらチームに影響を及ぼしている。その一員であると自分が感じている。それがひしひしと伝わる活動報告です。



 

インストラクター小林美月さんからの活動報告

今回のグロースでは本気で関わる場面がたくさんありました。一つエピソードを紹介します。

私は全員小学生の4人チームのイントラになりました。そして子どものリーダー以外の3人は全員初参加でした。
2日目の朝、山登りをやるのかどうかチームで話し合いました。
経験者であるリーダーが率先して、山登りの大変さ、危険なことなどをチームに伝えてくれていました。1人の子が「熊が出るかもしれないから怖いからやりたくない」と言い出しました。するとチームのみんなは「チームみんなで楽しく登りたいから声を出しながら登ったら熊が来ないからそうしようよ」と自分の気持ちを伝えました。その気持ちを聞いたその子は登ることを決め、チーム全員で山登りをする事に決めました。

山は道が狭いため一列になって登り、その子は4番目に登る事になりました。
風が吹くと木々が揺れてザワザワと音が鳴ります。
その子はその音に恐怖を感じ、「怖いよちょっとまって」と言いながら登っていました。ですが声が小さくチームみんなにその声は届かず、しばらく登っていました。
するとその子が「なんでみんな私の話を聞いてくれないんだよ!!ひどいよ!!」と足を止めて泣き始めました。
前を歩いてチームのみんなは今、どういう状況なのかわかっていない様子です。私が泣いている理由をチームに伝えました。すると「急に言われても何に怒ってるかわかんないよ」とチームが本気で言い返してきました。しばらくの間はお互いが言いたいことを言い続けるだけ。

「お互いに言いたい事を言ってみんながバラバラの気持ちで登るのは絶対に楽しくないし、怪我もする。チームみんなで楽しく登るって決めたんだからどうしたらいいのかを考えたい!」
と私自身も自分の気持ちを本気で伝え時間をかけてじっくり子ども達に向き合いました。

するとどうしたら楽しく登れるのかチームで考え話し始めました。
まずは怖がっている子にどうしたら怖く無くなるかを聞いてみました。「声を出したら怖くないし、私が止まってって言ったら止まって欲しい」と言い出しました。
その答えにチームは「じゃあしりとりとかするのはどう?しかもすごい大きな声で!」と言うと、怖がっていた子は「それなら平気かも」と返事がありました。
「みんなでしりとりしながら頑張ろー」と励まし合い、結果チームはしりとりをしながら最後まで楽しく山登りをすることができました。

学校や仕事など生活をしていると、時間に縛られたり、周りの人を気にして自分の意見を言えなかったりすることが多いと思います。
私は普段子どもと関わる仕事をしています。
グロースのように一人ひとり時間をかけてじっくり関わったり、大人も本気で意見を言ったりするのが理想だと思っています。しかし、周りの理解がなかったり、時間に追われていたり、自分の評価を気にしてしまったり、現実はなかなかそうはいきません。だからこそ、グロースは貴重な経験をできる場所なんだなと思います。

今回は怖いという気持ちに本人だけでなくその場にいた全員でじっくり向き合いました。
本人にとって自分の気持ちを本気でぶつける事は勇気のいることだと思います。
ですが、チームとして1日過ごしてきた中で得た信頼があったからこそ、自分の気持ちを出すことができました。そうやって向き合ってくれる仲間が身近にいることは本当に恵まれているなと改めて思います。

私はこうやってみんなで一つのことにじっくり向き合い、本気の関わりをする時間が大好きでグロースに来ています。
全ての時間に本気で向き合うことは難しいですが、年齢関係なく本気の関わりができるような環境を与えていけるようになりたいと思っています。

 

インストラクター山田菜緒さんからの活動報告

私が今回グロースセミナーに参加して、沢山の気持ちを味わった中で、これから自分が大切にしたいと思ったのは、「わくわくの源」でいるということです。

きっかけになったのは、2日目の登山後にバスで温泉に向かっていた時のことです。
子どもたちもスタッフも疲れが出て、バス内では眠る子がいたり、なんとなく1人の時間を過ごす子がいたり、私もその中の1人でした。休むことはあの時のみんなにとって必要な時間ではあったのですが、それと同時に「これじゃグロースじゃない!」という気持ちもわきあがってきたので、イントラサポーターの仲間たちに相談しました。
「この空気のまま2日目を終えたくない」と。
そこで帰りのバスで、グロースでは恒例の「私はだれでしょう」というゲームを始めました。お題を決める人がいて、周りが質問をしながらお題を当てるゲームです。子どもたちの中には、いつも中心でいる子がいたり、なかなか輪に入り込めない子がいたりしますが、ゲームを始めるとみんなが一つになってバスの中の空気が一変したのを感じました。
どんどん子どもたちの声が飛び交って、笑いがおきて、、「わたしが作りたかったのはこれだ!!」。

バスの中のこのわくわくキラキラした空気をもっと味わいたい、これからにつなげたいと思ったので、ヌプカ到着後にしばしばに相談しにいきました。
「私たちに10分時間をください」。経緯を話すと快くOKをもらえました。
士幌高原の中で思いっきり心と身体を動かして、笑顔に包まれる時間はとても愛おしかったです。

グロースセミナーは子どもたちが主役ですが、インストラクターもサポーターも、士幌でずっと支えてくれているオヤジ達もみんなが源。
本気で向き合って、楽しむ‼︎決められたものをこなすのではなく、今必要なことをしっかりキャッチして、共有して、与えていく、そんなことを感じた出来事でした。

 

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