子ども未来通信第34号 アートワークセラピストのアハハコラム

子どもたちひとり一人が、自分を認めて、お互いを認め合う世の中を創り出すこと
子ども未来通信は、子ども未来の活動内容やアートワークセラピストの視点から語る子どもたちの様子や心の成長などをコラムを通して皆様にお届けしていきます。

こんにちはアハハコラム担当のちゃいです。

先日、教育委員会の発信で、子ども達の登下校時、体育などの外での活動は、会話時を除いてマスクを外すことも視野に入れましょう。という発信がされました。
このマスクを外すタイミングについては、立場や状況によってそれぞれの考えがあると感じています。
ただ、私が現場にたって感じているマスクの弊害について、ここに書いておこうと思います。
※マスクを外すことを推奨も、否定もしていません。

笑顔をみせること

私は1歳半からの未就園児のクラスを開催しています。(※おたもあ商店

先日初めて参加したお子さんがいました。最初は笑わず、こちらに顔を向けることが少ないという状況でした。1歳半ですので発達的にもそれは、あることだと思います。
しかし、3回目の日の外での活動でした、サポーターがマスクを外してにっこり笑う表情をみせると、その表情をしばらくじーっと見つめたそうです。そして、そこからコミュニケーションが一気に活発になったというのです。

私は、京都大学霊長類研究所が書いた文章を思い出しました。
社会的微笑とそこでは書かれていましたが、人が、失敗したときや楽しいとき、さまざまな感情と結びついて笑い合うのは人だからだそうです。チンパンジーは、それをしない。あそびを通して、互いに笑い合ったりしないそうです。そして人は助け合ったりつながりあったりする為にコミュニケーションの手段として笑顔を見せ合っているのではないか?とその研究所では述べていらっしゃいました。

1歳半の子どもにとって、家以外の人の口元を見ることははじめてだっただろうし、感情がダイレクトに伝わったのではないかと想像しています。
実際に笑顔は人を繋げますし、口元で伝える感情表現はさまざまで手たくさんあると思います。口をとがらせて怒ったり、への地口で不平を言ったり、口をすぼませてみたり。さまざまです。

 

口元をみないということ

忘れてはならないことは、子どもはまねをすることで、いろいろを覚えていくということです。
特に2歳までのころは言葉を復唱して覚えたり、まねをする行動が多く見られます。

その時に家以外の大人が表情を見せないと言うことがおこっているとするならば、口元の表現で家族以外の人と得られていたものが得られなくなっていくという影響はあるのかもしれません。

人は環境に応じて進化も退化もしていきます。将来、他人には口を隠す習慣が出来上がり、笑顔を見せなくなったらどうなるのでしょう。コロナを境に新人類の誕生なんて言うことがあるのではないかと妄想してしまいます。例えば、目だけ見て感情を読み取る能力が非常にたけている子ども達が増える。とか、他人には口の表現をしないで感情を表現するとか。

大人との感情表現が違うためにジェネレーションギャップが加速なんていう記事が取り上げられたりして。更に、他人に口があると言うことを認識できていなかった子どもが誕生してしまうとか。目は嘘をつかないという表現が通用しなくなり目の表現でも嘘をつける新人類の誕生とか。それが弊害になるのかいい事に繋がるかはわかりませんが、想定していないことが次々とおこるかもしれません。

 

あなたならどうしたいですか?

そんな冗談みたいな、変な妄想事をつらつらと考えていると、そこで考えられるリスク含めて、私はさらに考え事をします。私に出来ることがあるとするならば、、、。子ども達にどんな場を提供してあげられるだろうか。

公園で遊んでいる子や町中でいる子ども達に、ちょっとマスクを外して、笑顔をみせてみようか。。。。いや、変な人がいたと警察に通報されるかも知れないから、やめておこう。
アートワークセラピーの場で笑う代わりに、気持ちをダンスで表現する姿をみせようか。拍手するとか。ジャンプしたら、、。ジャンプはずっとするのはきついだろうな。など。

どういう場を提供していきたいか。そんなことを真剣に考えては自分につっこみを入れています。

あなたなら、どんな方法で他人の口元を余り見たことのない子ども達と繋がる表現をしますか?

こどもたちに、どんな環境を与えたいとおもいますか?

以前のようにマスクが外れる日がいつになるのかは、社会の流れは私にもわかりません。そして、いろいろな状況に置かれている方々もいることは確かです。わたしたちが今、子ども達にどんな場を提供したいか。改めて考えて行きたいものです。

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