4月2回目の派遣は3カ所の場所にアートセラピーをお届けしました。
1日目は能登島の子どもたちへ。
2日目は七尾市内のフリースクールと七尾サンライフプラザさんの避難所へ。
そして子どもたちに関する福祉施設の方のお話しもうかがってきました。
1日目 : 島っこクラブ
「あ!また来た!」
「今日は何を持ってきたの?」
こちらでのワークは3回目。
私たちの顔を見るなり、ハイタッチで迎え入れてくれました。
入学したての一年生も「初めまして」とにっこり笑顔。
卒業した中学生も混ざっていました。
雨が降ったり、やんだり
分厚い雲に覆われた今日だからこそ、きらりと光る小さな輝きに喜びの声があふれていました。
好きな素材を手に、次々と自分だけの光の世界を表現していきます。
柔らかい素材、小さな素材、キラキラの素材、丁寧に丁寧に扱いながら表現しているうちに、作品全体を優しく撫でるようになっていく子どもたち。
ある子は、透明のケースの中にたくさんのビー玉を詰めていました。
それがずっしり手のひらにのり、コロコロもぞもぞ動く感覚が、なんだか生き物みたいに感じたよう。
耳を付けしっぽを付け、最後にはギュッと作品を抱きしめていました。
大切な心の光を抱きしめているかのようです。
ある子は、いくつも作品を作り上げましたが、最後に作った作品には何も入っていません。
それを両手にそっとのせ、「大切なものを入れるんだ!」とこっそり教えてくれました。
自分のすきなこと、やりたいことを存分に味わう時間となりました。
心から溢れてきた光をそっと受け止め、自分にも、まわりのみんなにも「ありがとう」と言っているような、優しい笑顔が広がっていました。
2日目 午前 : フリースクール
2日目の午前中はフリースクールにて、小学生、中学生と一緒にアートワーク。
天井が高いお部屋で何度も何度もお花紙を舞い上がらせて楽しみました。
ある子は、くしゃくしゃになったお花紙をそっと広げ、ゆっくり優しく撫でながらイメージを膨らませていました。
そして同じ色を何枚も集め、丁寧に折り畳みながら出来たのは人型の作品。
たくさんのお花がみの中から、その子を通して生まれてきた作品は、両手を広げながらまわりのみんなに話しかけているようでした。
お花紙を舞い上がらせる遊びは遠くからみていたその子。
でも人形の作品が出来ると、みんなの遊びの中心に、グッと入って、たくさんのユニークな表現を楽しんでいました。
自分と繋がり、みんなと繋がるアートワーク。
みんなのステキな表現に、心がぽかぽか。ひだまりのような時間となりました。
2日目 午後 : 七尾サンライフプラザ
第5回目の派遣、最後の訪問は七尾市サンライフプラザの避難所。
こちらは第1回目派遣から継続してアートワークの場を提供しています。
今回は、お花紙のプールを用意しました。
前半に来ていただいたのは、避難所で過ごされている方々。
色とりどりのお花紙の中に手を入れた瞬間、みなさんのお顔がふわっと緩んでいきました。
そしてそこにいる全員で顔を合わせて「気持ちいいね」とお話ししていました。
こんなの作りたい、この色が好き、あんな風にしてみたいな、そんなことを話しながら、自分に夢中になる時間を過ごしました。
後半に来たのは小学生たち。3回目の参加の子もいました。
どうやら私たちが来る日を覚えていてくれてたようで、お友だちを誘ってにぎやかなアートとなりました。
アートを通してお話ししていると、ポツポツといろんな思いが溢れてくるかたもいらっしゃいます。
目に見えない「心」のケアを
2月上旬の第一派遣の頃に比べ、道路が舗装され、落ちた駅のホームも修復され、仮設住宅への入居も始まっています。
人々の往来も盛んです。
子どもたちの会話の中にも
「仮設住宅で暮らすのってどんなかんじ?」
「ふつうだよ」
そんなやりとりが聞こえてきました。
目に見える復旧は少しずつ進んでいます。
そんな中で、今回訪問させていただいた子どもに関わる施設の方はこうおっしゃっていました。
「みんな我慢しているんだよね…」
水がでない時期が長く続いていた七尾。
生活が制限されていたことは想像に難くありません。
さらにそれよりずっと前から、長く続いたコロナ禍により様々なことが制限されていました。
行事やイベントを元に戻していこうとしていた矢先の震災。
子どもたちの環境づくりをしている方々自身も被災されています。
だからこその外部からの支援として、遊びの場、発散の場、表現をする場を作ることには大きな意味があると、あらためて感じました。
アートワークでの表現の時間が、少しでも心のケアとなれば…
そんな思いを再確認し、5回目の派遣を終えました。
是非子ども未来のこの活動に賛同してくださる方、能登への派遣には資金が必要です。
是非募金をよろしくお願い致します。
活動報告
こちらの活動は4月9日にベネッセこども基金様と日本財団様からの助成金の活動対象事業となりました。
応援してくださっている皆様からいただきました募金で出発させて頂き、その後助成金が振り込まれ、現在はそちらで対応させていただいております。
皆様からいただきました募金は今後助成金額ではまかないきれない、部分もありますので、そちらへ再び活用させて頂きます。
これからも引き続き見守って頂けたらと思います。
初動をいち早く安心して行動できましたのも、皆様から募金があってこそです。ありがとうございます。