子ども未来通信第23号 アートワークセラピストのアハハコラム

子どもたちひとり一人が、自分を認めて、お互いを認め合う世の中を創り出すこと
子ども未来通信は、子ども未来の活動内容やアートワークセラピストの視点から語る子どもたちの様子や心の成長などをコラムを通して皆様にお届けしていきます。

アートセラピーで子どもの心を分析する。
「絵で心がわかっちゃうのでしょうか?」
答えはイエスとノー両方です。

【その色を使いたくなる心理がある】
これは私の体験談です。

とてもとても親しい友人家族全員が不慮の事故で突然亡くなりました。
私はまだ悲しみもいえない時期でした。その時にたまたま実験的にアートプログラムを作
って、それをやってみるという講座に参加していました。

具体的な内容は忘れましたが「赤をぬってください」「青を塗ってください」と順番に指
示通りに色を塗っていくという手順でした。
赤を塗っている時のことです。
自分でも驚きましたが吐き気がして、
「これ以上は駄目だ塗れない。」という状態になったのです。
色を塗っていて、そんな経験は初めてでした。その時はすぐに自分を守るために紙を見え
ないようにして目を閉じて筆を置きました。
たとえていうならば、自分の心が痛くて、心は傷が出来たばかりの痛い状態。そこに怪我
と同じ色を塗ると、より誘発されて心からどんどん出血していくような感じがして、あま
りの出血に血の気が引いていった。
そして気持ち悪くなった。
そんな表現がしっくりくる体験でした。

そして次は青を塗る時間になりました。すると不思議と気持ちが落ち着いて「もっとこの
青を見ていたい」と感じました。
この違いを知ることは、私にとってとても貴重な体験でした。

セラピストになった今ではその体験をもとに、
クライアントと関わるときにその人が塗りたい色を尊重する事を大切にしています。
色で見る心理表現で有名なのがピカソの青の時代です。
表現は友人の死がきっかけだったという事があります。
私が青の色を塗っている時に感じたそれと同じようにピカソも似たような気持ちだったか
もしれないなと思いました。

そして、それはアートセラピーの授業で習ったとおり。
人は自分を整える時に自然と今、自ら必要な色を選んでいる。
自らの経験を通してほんとにそうだったと、感じたのです。

それを統計的に見ると、この色を使いたくなる共通の事が分析や見立てになっていくのだ
とおもいます。
でもこれは、たまたま私とピカソが同じ青で心が落ち着いたというだけで、すべての人が
、同じではないと頭においておかなければならないです。

だから、「アートで分析はできるか?」の答えは
イエスとノー両方あると思います。

【分析や見立てをする上で大切にしていること】
悲しみの中にいるときに分析される事を想像してみてください。

「あの人は青を使っているから悲しがっている人です。」という分析がされる。
私はそれだけでは不十分に思います。

とても大切な人を亡くして、悲しんでいたら、寄り添い、悲しい気持ちの人の傍らにただ
一緒にいる優しい時間を過ごしたいと思います。
子どもの絵を見て、分析する事もあります。
でも、その子が整えようとしているものや、表現しようとしていることを私は大切にした
いです。

子どものクラスで、時々この色塗るのですが心理的にどうでしょうか?と
聞かれることがあります。

わたしの見立てをお伝えすることもしますが、
変だとか、だめだという視点ではなく、
それが必要で成長の過程でそれを使っている事を念頭にお話しさせてもらっています。

自分を整え導く方法は自分が一番よくわかっているのかなと思います。

自分の感覚を感じて自分を信じ尊重できる子。
そんな子育てのサポートをしたいと思っています。

 

written by アートワークセラピストちゃい


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